日本語教育能力検定試験

合格した聴解問題【問題3】の解き方②|日本語教育能力検定試験

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Ciao こんにちは! sarinaです!

以前、「合格した聴解問題【問題3】の解き方①」をご紹介しました。
今回は、その続編として前回の記事では書ききれなかった部分の説明をしようと思います。

合格した聴解問題【問題3】の解き方①|日本語教育能力検定試験 Ciao!こんにちは!Sarinaです。 私は日本語教育能力検定試験の聴解問題がとにかく苦手でした。しかし、本番ではなんとか32...


以前の「合格した聴解問題【問題3】の解き方①」の記事↑では、子音の調音点、調音法について書いていましたが、

今回は、母音の部分についてまとめました。

試験Ⅱの問題3の選択肢には「調音点・調音法」に加えて、
「舌の高さ(母音)」「舌の前後位置(母音)」「唇のまるめ(o)」などもよく出てきます!

これらは、子音の調音点や調音法に比べると比較的分かりやすいと思います!

母音の違いを見分けるために、私が行った方法をご紹介します♪

子音と母音の分類基準の違い

母音の違いを見分けるための記号をご紹介する前に、

まず、整理しておいてほしいことがあります。

それは、子音と母音の分類基準の違いです。

子音の分類基準

子音は簡単に言うと「アイウエオ」以外の音のことを指します。(k/s/t…..など)

その子音の音の分類基準は大きく分けて3つあります。

  1. 声帯振動の有無(有声音か無声音か(例:サ=無声音・ザ=有声音など))
  2. 調音点(軟口蓋・歯茎など(例:カ行ガ行・ワ=軟口蓋、ヒ・ヤ・二=硬口蓋など))
  3. 調音法(破裂音・摩擦音・鼻音など(例:パ=破裂音・ナ行=鼻音など))

なので、試験Ⅱの問題3の音を聞いた際に、間違っている音が子音であれば、上記の選択肢のどれかが答えになります。

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母音の分類基準

日本語においての母音とは「アイウエオ」の音のことです。

母音の分類基準は子音とは異なります。

まず母音は全て有声音であることを覚えてください♪

母音の分類基準も3つあります。

  1. 舌の高さ(口の開き具合)
  2. 舌の前後の位置
  3. 唇の丸め(円唇か非円唇か(日本語の場合「オ」だけが円唇))

つまり、試験Ⅱの問題3の音を聞いた際に母音が間違っていれば、音調音点・調音法・声帯振動は関係ないことの方が多いのです。(稀に母音+調音点などという問題も入ってきます(怖))

母音の間違いというのは、「さ(Sa)」を「す(Su)」と発音している。というような場合です。

以上のことを理解していただいていることを前提に、母音の記号の意味を説明させていただきます。

母音についての記号

今までの記事でも何度もご紹介してきました私が勝手に作った記号。

これです!

以前の記事では、この左側に書いている「カガワ〜・ナマ鼻」までの意味を解説させていただきました!

今回はこの隣にある「アイウエオ」の部分の記号の解説をさせていただきます♪

右側に小さく書いているこれです!

試験当日もしっかりと問題用紙に記入していました!

いつも「アイウエオ」は控えめに小さく記入していますが、実はこの記号もとても役に立っています(笑)

この記号の意味は何?

では、母音1つづつについて解説していこうと思います!
また、同時になぜこの記号になっているのかも説明しています。

母音「ア」

「ア」と発音してみて下さい。

口を大きく開けて発音しています。
その際舌はどこにありますか?

舌は下の方にあります。

つまり、「舌の高さは低い」ということになります。
舌の高さは口の開き具合に比例します。

口を大きく開ける音=舌の高さが低い

これだけ覚えてください!

「ア」は母音の中で一番大きく口を開けます。=一番低い位置に舌があります。

なので、一番下に「ア」と書いています。

また、「ア」は舌の前後の区別が内容なので、真ん中に書いています。

母音「イ」

次に「イ」と発音してみてください。

「ア」とは対照的に口はそんなに大きく開けません。(ほぼ閉じています)

口を開けない=舌の高さが高い

ということで、上に書きます。

その際に、舌の前後位置も考えてみましょう。
「イ」と発音した際に、舌先を前の歯から離して発音してみてください。

上手に「イ」を発音することができますか?

私は違和感を感じ、「イ」の発音が上手にできなかったです。

しかし、舌先を前の歯につけて「イ」と発音すると上手に発音することができます。

このことから、「イ」を発音する際には舌は前になければならない。ということがわかります。

よって、「イ」を発音する際の舌の前後位置は「前」になります。

「ア」は舌の前後区別がないので、「ア」を中心に考え、「ア」の左側が前。

右側が後ろ。と考えます。

「イ」は「ア」よりも舌の高さが高く(口の開きが少ない)、前舌であることから、

「ア」の左(前舌)上(舌の高さが高い)に書きます。

母音「ウ」

続いて、「ウ」を発音してみてください。

こちらも、口の開きは狭いです。=舌の高さが高い

そして、舌の前後位置ですが、

舌先を前の歯から少し離した状態でも上手に「ウ」と発音することができます。

なので、口の舌は後ろにあっても発音できる。とみなします。

よって、「ア」を基準に考え、「ウ」は「ア」よりも舌の高さが高く、後ろのほうで発音している。ことが分かります。

高く(上)・後ろ(右)という考えから、「ア」の右上に書きます。

「ウ」についての注意点!
「ウ」は一見唇を丸めて発音しているように感じますが、日本語の「ウ」については、唇を丸めて発音する「円唇」ではなく唇を丸めて発音しない「非円唇」です。
『ウ』=非円唇

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母音「エ」

「エ」を発音してみてください。

「イ」より口を開いて発音しますが、「ア」よりは狭いです。
舌先を前の歯から離して「エ」を発音するのは少し、難しいです。

舌先を前の歯につけて発音したほうがスムーズに発音できます。=舌は前の位置にあります。

舌の高さ(口の開き具合)は「イ」と「ア」の間で、舌の位置は「前」(左)ということから、

「イ」と「ア」の間の左側に書いています。

母音「オ」

「オ」に関してですが、絶対覚えてほしいことがあります。

「オ」=円唇

ということです。

日本語の母音において舌を丸める円唇母音なのは「オ」だけです。
日本語の母音唯一の円唇母音=テストに出やすい。です。

「オ」関係で問題が出ている時は大概「円唇母音」が関係しています。
私は「ウ」と「オ」どっちが円唇だったっけ?と忘れる時があったので「ウ」と「オ」の隣には音声記号も書いています(笑)

「o」ってなんか丸いので、見た感じ唇丸めてそうですよね?笑
私はそんな感じで覚えました!

そして、舌の高さと前後位置についてですが、

「オ」を発音する際に口はそんなに開きません=舌の位置が高い

そして、舌先を前の歯から離しても上手に発音することができるので、

舌が口の後ろにあっても発音できる=舌の位置が後ろ
ということが分かります。

そして、問題なのが、舌の高さ(口の開き具合)は「ウ」と「オ」どちらの方が、高い(口の開きが狭い)のか。についてです。

正直私は「オ」は「ウ」と同じくらいの開き方な気がして
「ウ」と「オ」どちらが狭いのかについては微妙だと感じます。

が、赤本やその他の本によると、「ウ」の方が口の開き方が狭いらしいので、これは特に深く考えず、「そうですか〜」という感じで覚えました。

確かに、「ウ」の口を少し広げて「オ」と発音している気がします。

「オ」の舌の高さは「ア」よりも高く「ウ」よりも低い、さらに、舌の位置は後ろ(右)なので
「ア」と「オ」間に書きます。

母音1つづつ考えるとこのような感じで、この記号ができています!

ただ、私は、いちいち「アイウエオ」と発音してこの記号を書いていった訳ではありません。

この配置を暗記しました(笑)

でも、どうしても忘れてしまったときは、上記のように発音して場所を確認していました。

「あえいうえお」で下から右回り〜と覚えました。

では、この記号を使ってどのように問題3を解いていけるのかを確認します。

記号を使って問題3を解く方法

では、3問ほど例をご紹介します。

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例1 ふたり が ふとり

ふたり が ふとり で発音されている場合、
「タ」が「ト」になっている事が問題である事が分かります。

Ta が To になっているということは「母音が間違っている(変わっている)」事が読み取れます。

「ア(A)」が「オ(O)」になっています。

先ほど書いた記号を見て見ましょう。

「ア」と「オ」何が違いますか?

「ア」と「オ」は上下に書いてありますので、まず、「高さ」が違います。
さらに、「オ」は円唇母音です。

という事で、「ア」と「オ」の違いは

「舌の高さ&唇のまるめ」という事になります。

例2 じゅぎょう が じぎょう

じゅぎょう が じゅぎゅう になっている場合、

「ジュ」が「ジ」になっている事が問題である事が分かります。

Ju が Ji になっているということで「母音が違う」という事が読み取れます。

「う(ɯ)」が「い(i)」になっています。

またまた、記号で確認してみます。

「ウ」 は右側、「イ」は左側にあります。
この記号の左右が表しているのは、舌の前後位置です。

なので、違いは「舌の前後位置」ということになります。

例3 にています が ねています

にています が ねています になっている場合、

「に」が「ね」になっている事が問題であります。

「Ni」が「Ne」ということで、母音が違うことはすぐに分かります。

「イ(i)」が「エ(e)」になっています。

今まで通り、記号を見ると、「イ」と「エ」は上下にあります。
この記号の上下が表しているのは、舌の高さです。

なので、違いは「舌の高さ」です。。。。。。。。って、、、

ちょっとまった!!!!

「二」が「ネ」になっています!

問題点は本当に舌の高さだけでしょうか?

子音の記号を思い出してください!!!

ヒヤ二 硬
サザタダナラ 歯

と書いてありますよね! 

「ヒヤ二 硬」 は

調音点が硬口蓋であることを示しています。


「サザタダナラ 歯」は

  • サ行(シは除く→サ・ス・セ・ソ)
  • ザ行(ジは除く→ザ・ズ・ゼ・ゾ)
  • タ行(チは除く→タ・ツ・テ・ト)
  • ダ行(ダ・デ・ド)
  • ナ行(二は除く→ナ・ヌ・ネ・ノ)
  • ラ行(ラ・リ・ル・レ・ロ)

調音点が歯茎であることを示しています。

合格した聴解問題【問題3】の解き方①|日本語教育能力検定試験 Ciao!こんにちは!Sarinaです。 私は日本語教育能力検定試験の聴解問題がとにかく苦手でした。しかし、本番ではなんとか32...


このことから、

「二」の調音点は硬口蓋

「ネ」の調音点は歯茎

であるという事がわかります。=「二」と「ネ」は舌の高さと共に調音点も違う!

よって答えは

「舌の高さ&調音点」

になります!!!

きゃーーーー!これは意地悪ですね(笑)
最初はまんまと引っかかりました。

ただ、何度も問題を解いていると、選択肢を見ればなんとなく答えを予想できるようになってきました。

このような問題に引っかからない(決して引っ掛け問題という訳ではありませんが(笑))
ようにするには、「選択肢をよく見る!」という事が大切であると思います。

選択肢が

  1. 舌の高さ
  2. 舌の高さと調音点
  3. 調音法と調音点
  4. 唇のまるめ

であったとしたら、舌の高さが分かった時点で、①と答えてしまうのでなく、調音点は同じなのかを即座に確認してください。(私の場合は記号を見て確認しました!)

ただ、聴解問題の時はとにかく時間に追われていますので、大変です(笑)

それにしても、良くできた意地悪な問題ですね〜(笑)

また、母音の脱落という選択肢もあります。これは、Su『す』が『S』になっているなど母音が発音されていないという事です。

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最後に

以上、母音について私が解いた方法をご紹介しました!

個人的に母音は子音に比べると分かりやすいかな。と思いましたが、

例3のように「子音+母音」で攻められたら、とても難しく感じます。

ですが、問題点が母音である時の選択肢は

「舌の高さや前後位置・唇のまるめ」が関わっている事を知っていれば、

音声を聞いてまず、母音の間違いかどうかだけを判断できれば、消去法で選択肢を減らす事ができます。

文にするとなかなか伝わりにくい部分がありますが、補足があればまた書き加えておきます!

検定試験の勉強、大変だと思いますが、頑張ってください!
最後までお読みいただきありがとうございました!

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